今週のお題「卒業」

はてなで「今週のお題」というのがあったので、初めて乗ってみることにします。お題は「卒業」だそうな。考えてみると、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と5回も卒業式に出たことになるんですね。昔の記憶はどんどん無くなっていくので、もはや卒業式そのものは大学のときのものしか覚えていないのですが、卒業にまつわる思い出が多いのは高校のときです。

高校では自分の人生を方向づけるに十分な出会いや経験があったので、そこから抜け出ることに対する恐怖というか不安が大きく、正直言って寂しくてたまらなかったです。大学受験にはあっさり落ちたので、勉強しなければならないというプレッシャーが不安を抑えつけてくれましたが、今から振り返ると、「そのときの積み残しを放置して次の場所へトンズラする」という、今に続く悪しき行動様式はこの頃に確立したんだと思います。

この行動様式は予備校→大学前半→大学後半→会社と漏れなく繰り返され、その都度「ああ…」とがっくりきます。つまるところ、卒業というのは、単に時間の経過によってもたらされる区切りではなく、「業を卒える」ということだったんですね…(当たり前)。だからと言って、「こういう当たり前のことに、30歳目前にして思いを致すというのが悲しい…」とは思わなくなったところに、ああ年を取ったなあと感じます。

小学校や中学校はあまり楽しいこともなかったので、さっさと卒業できてうれしかったです。こう書くと同級生に怒られそうですが、要するに、人生が有限であるということに気が付かないほど若かったということです。高校にもなると、「あれ、人生ってもう取り返しがつかない感じになってない…?」ということに気がついてしまったんでしょう。

なぜ、老人が子どもを見るときのまなざしの多くが穏やかなのか、そろそろわかってきた気がします。そしてそれは、親が子どもの卒業のときに見せるまなざしの延長線上にあるものなのでしょう。たぶん…。