永井均

僕が最初に興味を持って読んだ哲学書は、永井均のものだった(ような気がする*1)。何だかよくわからないが、おもしろい。そう思って読んでいた。そこには、いくばくかの知的虚栄心があったことは間違いなく、自分の知能がついていかないことを悟るや、しぜんと読むのをやめてしまっていた。
それが最近、ちらちらと読んでいる。永井がおもしろい(と僕が感じる)のは、彼がまるで金魚鉢を愛でるかのようにして、哲学をしているからだ。その感覚が、心地よい。現代の哲学者は、カントやニーチェのように生きなくとも哲学ができるんだということを感じさせる。まあ、中島義道みたいな人もいるのだけれどね。

*1:と書いたところで、本当のことを思いだしてしまった。僕が最初に読んだのはショーペンハウアーだ。何が何やら、全くわからなかった高校三年生だが、今でもわからない。