小品のためのメモ
- 電車におけるおじさんの臭いについて
- 隣に座った初老の男性の臭いが強烈で、それまで読んでいた恋愛小説がピタリと前に進まなくなった。饐えたような臭いの横で、甘酸っぱい話は読めない。
- しかし、僕にはその男性をとやかく言うつもりにはなれない。
- 何かを言うことによって生じる諸々よりも、その臭いがもうすべてなのである。
- 巡り合わせと自己責任について
- 男性だって、好きで臭くなったわけではあるまい。人間、必ずしも自分の責任に帰せられることばかりではない。
- とは言え、周囲はその人に付随するすべてをその人が生じさせたものとしてしか見ない。そして往々にしてそれは真実なのである。
- 問題なのは、「往々にして真実である」場合から漏れてしまう、レアなケースにおいてその結果が致命的であるときだ。
- 成就した恋は恋であり得るかについて
- 恋は実らないから恋なのであり、実った恋はすでに恋ではあり得ないと思うことがたまにあるのだが、結論はでない。
- なぜなら、恋とは何であるか定義したことがなかったからであり、これからもないからである。
- 大きな集団と小さな集団について
- 大きな集団に嫌悪感を覚える人間たちが集まる集団というのは、やはり集団であることを免れないとすれば、彼らはどうしたらいいのか?
- あらゆる反体制はこのジレンマを抱えている。
- ビジネス書とニーチェについて
- 恋人について
- 恋人とは?妻とは?