2008年を振り返って

僕にとってこの2008年というのは、今までのどの年と比べても意味の大きい一年だった。僕にとって大きな意味を持つもののいくつかがそのあり方を変え、そして今年という年が終わろうとしている。

とまあ、そんな大げさな言い方をする必要もないくらいいろいろあった一年だった。振り返って、と題したものの、振り返るのはやめて今年の残りの数時間、ぼーっとしようと思う。

エセー〈1〉

エセー〈1〉

この年末、モンテーニュの『エセー』を読み続けている。白水社のこのシリーズはまだ7巻中3巻しか発売されていないので、完訳はまだ数年先のことになるのがもどかしい。とは言え、何度も読み返すに足る味わいを持つ書であるこの『エセー』、発売をのんびり待ちながら歳をとるのも悪くはない。

ところで、札幌は寒い。雪は降るし、風は吹く。澄んだ空気の中をうつむいて歩いていると、高校に通っていた頃のことを思い出す。僕はあの頃まだ若く(今でもじゅうぶん若いが)、自分の人生というものを真剣には考えていなかった。「どうにかなるだろう」という甘い見通しだけが、僕の頭にあった。これまでは、運がよかったのだと思う。そんな僕が今日まで何とか生き長らえているのも、周囲のおかげである。
皆様、よいお年を。